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2007.03.09 Fri
あー、部屋の時計が15分くらい遅れてますねー。
こないだまで5分遅れだったので、きっともう電池が無いのでしょう…。
久しぶりに普通の小説(?)も更新しました。
巫女さん話。 





翌日、早朝からの作業は辛いものになった。
次々と発見される鉱夫の遺体。
皆黙々と、せめて綺麗にしてやろうと、岩を退けた。
中にはウェイトやハンスの知った顔もあった。

「ウェイト!」
奥からビルの呼ぶ声がして、岩を運びだしていたウェイトは鉱山の奥に走って行った。
途中で外に駆け出して行くハンスとすれ違った。
すれ違いざまにハンスはニッと笑って言った。
「生存者がいたぞ」
その言葉に、ウェイトはケアルのオーブを握り締めた。
背中で、ハンスが外に叫ぶ声が聞こえた。
「エドワード!!アンドリューが生きてたぞ!!」
ウェイトは、口元が緩むのを感じた。

奥ではカズスの鉱夫が、泥だらけの見覚えのある若い鉱夫―エドワードの兄、アンドリュー―を抱き起こしていた。
ケアルを唱えて、アンドリューの顔色が僅かに良くなるのを見て、安堵した。
「兄ちゃんっっ」
外から叫ぶ声と共に、エドワードが駆け込んで来た。
「兄ちゃん、兄ちゃんしっかりしろよっ」
消耗が激しいようで、反応は無いが、上下する胸と確かに感じる鼓動にエドワードは安心したように、座り込んだ。
すぐに担架を担いでハンスが戻ってきた。
「よーし、12の3で移すぞ」
アンドリューを抱き起こしていた鉱夫の掛け声で、アンドリューは担架に写された。
「エド、持てるか?」
「あ、はいっ」
ハンスの声に、エドワードは我に帰ったように少し上擦った声で返事をした。
ハンスとエドワードが担架を運んで行くのを、ウェイトは見送った。
「ほれ、ボサッとしてるんじゃねぇ。
これからお前の出番が増えるんだから」
パンパンと背中を叩かれて、ウェイトは少し笑った。
初めて、魔法が役に立った気がした。

程なくして、掘り進めた岩の向こうに大きな空洞が現れて、数人の生存者が発見された。皆、体力は尽きていたが尋常ではない鍛え方をした鉱夫達故に、比較的元気なようにウェイトには写った。
中にはエドワードとアンドリューの父親も居て、目の前で土砂に呑まれた息子の無事に涙を流した。
アンドリューは夜中には意識を取り戻して、その傍らでエドワードは嬉しそうに笑っていた。
マリーは何も言わず、微笑んで皆を見ていた。
そうして2日後には、ウルからの手伝いに来たメンバーは、鉱山に慣れたものを残して、引き上げる運びになった。
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