2007.03.03 Sat
家の子はおろかまだNPCすら出ません(笑)
明朝、ウェイトを含めウルの男達のほとんどがカズスへと立った。
またカズスへ出稼ぎでている者の身内もカズスへと向かった。
「なんだと!?てめぇもういっかい言って見ろっ」
荒っぽい声をあげて、体格の良い鉱夫―左腕を骨折しているのだろう。添え木と共に左腕は固定されていた―が真新しいサスーン王国の制服を着た若い衛兵の胸ぐらを掴み上げた。
「あぁ?聞こえなかったのか?あんたらみたいに筋肉ばっかりじゃないんだよ」
若い兵士は鉱夫をにらみつけながら言った。
「てめぇらは人を助けに来たんだろうがっ!!それがなんだ、半日もたたない内に疲れただのなんだの、何の役にもたちゃぁしねぇじゃねえかっ」
鉱夫はそう言うと、突き飛ばすように掴んでいた兵士を放した。
「鉱山にゃ、20人以上の鉱夫が閉じ込められてる。生き埋めになってるのか、怪我人がどのくらい居るのかもさっぱりわからん。
空気だってどのくらいもつか…」
鉱夫の言葉に、若い兵士が、フンッと鼻をならした。
馬鹿げたケンカに水をさしたのは、太い男の声。
「おいおい、いったい何の騒ぎだ?アル」
呆れた顔のウルの面々がそこにはあった。
「まったくよ、でけぇ事故だっつうから、男ども連れてきたのに、なんだ?この様は。」
ため息混じりに言ったのは、ウルの鍛冶屋のビルだった。
「ビル!!良かった来てくれたのか!
ん?エドはどうした?」
使いに出した少年の姿が無いことに怪訝そうにアルバートはビルに訪ねた。
「エドワードは後発隊だ。ずっと走り通しだったんだろ。
よく寝てたよ」
良く寝てたっつーか気絶したように寝てたの方が正しいなぁ、とウェイトは出発前のエドワードを思い出した。
「そんな事より、山はどうなってるんだ?」
ビルの問いに、アルバートは鉱山をみやった。
「どうもこうも、進んじゃいねぇ。
衛兵どもはさっぱり役に立ちゃしねぇし、人手もたりねぇ」
ウルの住人には鉱山の経験者も多い。
ようやくまともに救助に向かう気配を見せ始めた。
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