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2007.07.01 Sun
昨夜はH様宅のお茶会にお邪魔させていただきましたー。

最近はお茶会に参加するのが週末の習慣となってきたようなw

いつもいつも楽しい時間をありがとうございますです(ぺこり)

お話してくださってありがとうございましたvv


今月のTOPは長男ですよー、と。

それから100のお題にこないだ書いた自分絵を格納ですー。

髪の毛の色の乗せ方を模索中ーです。悶々…

この週末はちょっと出歩いてみたりして。

続きに、ふと書きたくなったSS格納してみましたー。




キンッと響いた金属のぶつかり合う音。

「くっ」

刃の薄い剣は、軽くビクトリアの手の短剣に受け止められた。

競り勝てない。それは、あまりにも余裕のあるビクトリアの顔を見れば一目瞭然だった。

体術よりも魔術を得意としている事は自分でも百も承知だ。

だけど。

一応男だというのに、なんで女のこの人に勝てないんだろう。

純粋に力だけなら勝っているはず。

全力で切り込んだのにこうも簡単に剣を、小さな短剣で受け止められてしまう。

剣を交えたまま、ビクトリアの顔がふと近くに寄ってくる。

「フフ、腕を上げたわね。ルクソール」

面白そうに言って、ビクトリアはその艶っぽい唇を微笑ませる。

「でも、まだまだよ。ツメが甘いわね」

クスッと笑ったビクトリアの声が聞こえるよりも、ヒュオッと風を切る音が耳に残る。

刹那、体の自由が奪われて、次いで世界が90度回転した。

庭園の芝生、そしてその合間から見えるのは、ビクトリアのブーツ。

なんでこんなヒールで動き回れるんだろう、といつも思う10センチは優に有りそうなピンヒール。

腕の自由が利かないのは、彼女の鞭が体に巻きついているから。

地面に転がされたまま、彼女をにらみつけると、薄紅色の髪をかきあげながらビクトリアは満足そうに微笑んだ。

「フフ…力任せじゃ勝てないわよ?」

それはわかったから、鞭を解いてよ。

そんな本音はきっと、顔にも出ていたのだろう。

かがんだビクトリアの手が、おそらく鞭の両端に掛かったと思った途端。

「っつ!!」

一気に締め上げられてルクソールは思わず声を漏らした。

「なっ、何するんだ!」

「たまには、こういうプレイもいいわねぇ、坊や」

ビクトリアの衣装はいつもの通り胸元の大きく開いた服。

かがんでいるために惜しげも無く見える豊かな胸の谷間を目の前に視線のやり場に困りつつ、ルクソールはビクトリアを見上げた。

「プレイって…っ何考えてるんだよっ」

「あら、私はいたって真面目よ?
たまには、可愛い男の子を縛るのも…フフフ、そそられるわ
せっかくだからもうちょっと綺麗に縛ろうかしら」

「・・・やめてよ」

本気でやりそうな声と本気の瞳に、ルクソールはなんだか泣きたくなった。

「あんた本気で嫌そうね」

「当たり前だよ!」

ビクトリアはくすくす笑うと、かがんでいた体を起こしてそのままルクソールの傍らを通り過ぎた。

「ビクトリア!コレ、どうするんだよ?!!」

ビクトリアは足を止めて、肩越しに振り返ると、口元に色っぽい笑みを浮かべた。

「解くくらい自分でなさいな。坊や」

くすくす笑うその顔は、まさしく妖女のそれだ。

あまりの色っぽさに、そういう趣味が無くて良かった。と変に冷静に自分を振り返ってしまう。

遠退いてゆく、芝生の足音に、ルクソールはなんともいえない悔しさをかみ締めた。

「・・・ああっもう。何で勝てないんだよ・・・」

全く歯が立たない自分に少しいらだちもする。

だが、自分が勝てないからこそ彼女は風の騎士の称号をもらっているのだ。

とりあえず、解こう…。ルクソールはもぞもぞと後ろ手で鞭を引っ張り始めた。

「あの人どうやったんだよ。見えなきゃわかんないよ…」

しかもどうやら魔封じが施されているようで、魔術で解こうとしても効果が無い。

仕方ないので手当たり次第に手が届く範囲を引っ張ってみるが、どうにも外れる気配がない。

さく…とすぐ近く背後から聞こえた足音にルクソールは驚いた。

こんなに近くに来るまで気付かないなんて。

そんなに集中して解こうとしていたのか、と。

肩越しに振り返った視界に、白い長い布が見えた。

「メル?」

問いかけたが返事はない。

そのかわり、体に巻きついていた鞭が緩んだ。

ぽふ、と背中に額が押し付けられた感覚。

「ありがとう」

肩越しに、背中に当たる小さな頭が横に振られるのを見る。

「メル?どうしたの」

答えは無い。

ルクソールは背中に手を回して、背中に触れているメルクの頭をそっとなでた。

「なんか、嫌な事でもあった?」

ふたたび、小さな頭は横に振られる。

細い腕にきゅっと後ろから抱きしめられて、ルクソールは目を伏せた。

小さく息をついて、メルクの手に自分の手を重ねる。

「メル。大丈夫だよ。

守るから。

僕が、必ず守るから」

その言葉にルクソールを抱きしめる腕に、力が入る。

背中に触れていた頭が、ちいさく頷いた。
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